毒川柳 ー き
既婚者が いつの間にやら 希少価値
〈解説〉
久しぶりの地元での同窓会。
「え、マサオ、お前まだ独身なの?」
「え?お前、結婚してんのか?すげえ!」
「すげえって、大袈裟だよ。」
「だって、タケシもケンゾーも、みんな独身だぜ。」
「そうなの?」
「おーい、みんな来いよ!ヒロトの奴、結婚してるってよ。」
「えー、すげえ!」
「ヒロト、やるじゃん。」
「や、やめてくれ!」
毒川柳 ー か
カルピスと 牛乳混ぜて ヨーグルト
〈解説〉
子ども「ヨーグルトあらへんの?」
つま「あ、買い忘れとるわ。牛乳でも飲んどき。」
子ども「もう!いつも忘れないでって言うてるのに!」
おれ「しゃあないなあ、待っとき。ほら、ヨーグルトやで。」
子ども「うわあ、ありがと。」
つま「一つ残っとったんかいな?」
おれ「牛乳にカルピス入れたらドロドロになるやろ。とりあえず代用や。」
子ども「何か・・・、あまったるいで。」
毒川柳 ー お
お前とか 貴様を字で書きゃ 尊敬語
〈解説〉
外国人ウェイター「いらっしゃいませ。オマエ、何にしますか?」
「キサマ、パンとご飯、どっちがいいですか?」
店員A「何だい、あれ?『オマエ』とか『キサマ』とか言わせといていいの?」
店員B「だけど漢字で書いたら『御前』も『貴様』もメチャメチャ尊敬語じゃん。オーナーがそう説得されて、逆に納得したんだと。」
毒川柳 ー え
絵に描いた モチもパワポで 見栄えする
〈解説〉
部長「いやあ、さすが有名企業だけあって結構な値段ですな。」
社長「全く。だが、これだけ立派な資料を作られるとついつい納得してしまうな。」
部長「やはり、パワーポイントは凄いですね。」
社長「だけど、君。これ、どこの部署が何のために使うんだ?」
部長「さあ、そこまでは・・・。」
毒川柳 ー う
ウンチクも スマホに負けて 秋の暮れ
〈解説〉
「あのさ、この時期にビールに合う食べものと言えば・・・。」
「ちょっと待って・・・、あ、やっぱり、さんまにスダチだよ。」
「じゃあさ、スダチの名前の由来は・・・。」
「ちょっと待って・・・、あ、『酢の橘』ってことか。・・・、あと何?」
「もう、いい!」
毒川柳 ー い
いい女 ハナは遠くで 見てるうち
〈解説〉
「うわー、きょうこちゃん可愛い〜。ゆかりちゃんも、今日は一段と美人。たかこちゃんも、素敵だなあ。」
「そんなに好きだったら、交際を申し込んだら?」
「え?無理無理、付き合ったらお金も気も使うし、僕の時間が縛られる。やっぱり、いい女は遠くで眺めているのが一番♡」
毒川柳 ー あ
当たったら? 買わぬ人まで 盛り上がる
〈解説〉
「ねえ、今度の宝くじ、最高賞金7億だって!」
「えー!すごい!7億当たったらどうしよう!」
「私はね、あんな主人と別れて自立するわ。」
「私なら、空気のいいところに引っ越して、のんびり農業でもするかな。沖縄で、三線でも弾いて一日中過ごすのもいいかな。」
「あなた、宝くじは買ったの?」
「ううん、買って当たったらの話よ。」