とある冒険譚
ある女戦士の独白。
私は、やっと豊穣な大地にたどり着くことができた。
思えば長い旅路だった。
衣服は埃にまみれ、身体中に旅で受けた傷が無数に刻まれている。
冬が近づいている。
十分な食糧がなくては、春まで生き延びることは無理だろう。
でも、新しい土地には、食べ物が満ち溢れていた。
私のこの剣を突き立てさえすれば、いくらでも欲しいだけ手に入れることができる。
そうだ、大地そのものが、巨大な食糧庫なのだ。
さあ、思う存分食らって、生命の宴を始めようではないか。
・・・
プ〜ン。
バチン!
「いやねえ。秋の蚊はしつこくて、ホント。」