両さん
葛飾区柴又辺りにて。
「おう!」
「あ、どうも。」
「あの、知り合いですか?」
「まあね。」
「随分と威勢の良い人でしたね。」
「最近まで、派出所に勤めていたんだよ。」
「へえ、でも70歳をかなり過ぎてましたけど、お巡りさんも再雇用があるんですか?」
「いや、この間までずっと35歳だったんだ。」
「えっ?ずっと、ですか?」
「そう、40年間ずっと35歳。それで、連載が終了したら、止まっていた時間が一気に進んだんだ。」
「連載って・・・漫画じゃあるまいし。」
「そう、あの人は両さんって言うんだ。」