「昨日とっても怖かったんだから。」
「ふうん、どんな?」
「あのさ、コンビニの前でタバコを吸っていたら、男が近づいてくるの。それで気持ち悪くなってそこを離れたらね。」
「離れたら?」
「そいつがついてくるのよ。」
「うわあ。」
「どんどん早足になって、最後力一杯走り出したの。そしたら、そいつも必死に追ってくるのよ〜。」
「それ、絶対『ストーカー』だよ。あんた、よく無事だったわね。」
「ううん、『ストーカー』じゃなかったの。だって、そいつ、追いついてきて、こう言ったもん。『タ、タバコ切らしちゃった。一本分けてちょうだい』」
「それ、『スモーカー』じゃん。」