毒川柳 ー む
昔いた 金さん庶民 助けたが
〈解説〉
息子「全く、北の金ってやつは、庶民の敵だ。」
父親「何をいうておる。北の金さんは庶民の味方じゃ。」
息子「都合の悪いやつはドンドン処刑するし。」
父親「悪い奴を裁くのは仕事じゃぞ。」
息子「自分だけ、あんなに丸々太って。」
父親「金さんは細身のいい男じゃ。」
息子「えっ?誰のこと言ってんの?」
父親「北町奉行の金さんのことじゃろ?」
毒川柳 ー み
見た目より 気立てと言う友 妻美人
〈解説〉
既婚社員「そろそろ君も身を固めたらどう?」
独身社員「でも、なかなかいい娘がいなくてさ。」
既婚社員「いないもんか。A子ちゃんに、B子ちゃん、みんな独身だろ?」
独身社員「でも、ちょっとタイプでないと言うか・・・。」
既婚社員「何言ってんだ。見た目なんか、すぐ飽きるぞ。大事なのは気立てだよ、気立て。」
独身社員「じゃあ、なんで最初に社内一のかわい子ちゃんに手を出したのさ?」
毒川柳 ー ま
マングース メシ食い稼ぐ パイオニア
〈解説〉
「フードファイターさん、あなたの尊敬する人は誰ですか?」
「えー、そうっすね。マングース・・・、っすかね。」
「あのマングース・・・ですか?コブラを食べる?」
「はい、自分のメシをショーにして稼いでますから、オレらの先輩っす。」
毒川柳 ー ほ
褒められて 世辞と知りつつ 好きになる
〈解説〉
「お嬢様、とてもお似合いですわ!パッと花が開いたみたいです〜。」
「またまたあ。そう言って買わせるつもりでしよ?」
「とおんでもない。お嬢様ほど、お綺麗で、当店の服がお似合いになるお客様は他に知りませんわ。」
「もう!また、お父様に無駄遣いし過ぎだって怒られるじゃない。」
「お買い上げ有難うございます♡」
毒川柳 ー へ
平和とは ありて知られず なきて知る
〈解説〉
おばあちゃん「マリ、これが『平和の碑』よ。」
マリ「どうして、『平和』っていうの?」
おばあちゃん「ここでね、昔戦争があってたくさん死んだの。だから、もう戦争は嫌だ、平和がいい、って意味なの。」
マリ「でも、『戦争』って『平和』の反対でしょ?戦争のあったところに『平和』って変だよね。」
おばあちゃん「う〜ん、・・・悲しいけど、人間は戦争してひどい目に合わないと、平和の大切さがわからないのよ。」
毒川柳 ー ふ
老け顔が タイムマシンか 同窓会
〈解説〉
「あ、ああ。山田!」
「おお、鈴木くん。」
「いやあ、すぐわかったよ。ぜんぜん変わらないなあ。」
「はは・・・。昔から老け顔だから、歳を取っても変わらないのかな。」
「ほんと、山田だけ昔のまんまだから、まるでタイムマシンに乗って来たみたいだな。」
毒川柳 ー ひ
非売品 うちの娘に 手をだすな
〈解説〉
「お父さん、娘さんを僕に下さい。」
「いや、ダメだ。」
「どうしてですか?僕の何がいけないのですか?」
「娘は決して嫁には出さん!」
「そんなあ、ずっと独身じゃかわいそうじゃないですか。」
「うちのは、非売品なんだ。他、当たってくれ。」